和室の落ち着いた雰囲気は好きだけど、寝具はベッドやマットレスを使いたい、と考える方は少なくありません。その際に直面するのが「畳の上にマットレスを直置きしても大丈夫?」という疑問です。
畳はフローリングと違い、湿気がこもりやすい性質があるといわれます。そのため、何も対策をしないとカビやダニが発生したり、畳が傷んだりする原因になる場合があります。でも、心配はいりません。正しい知識でいくつかのポイントを実践すれば、畳への影響は最小限に抑えられます。和室でも清潔で快適なマットレス生活を送ることは可能です。
この記事では、和室でのマットレス直置きを成功させるための方法を解説します。カビを防ぐには「敷きっぱなしにしない」毎日の手入れが欠かせません。すのこや除湿シートといった便利アイテムの正しい使い方も具体的に解説します。
さらに、畳の部屋に合うマットレスの選び方も紹介します。おすすめの厚さや通気性の良い素材、ニトリなどで手軽に購入できる折りたたみタイプまで詳しく見ていきましょう。
この記事を読めば、和室の心地よさとマットレスの快適さを両立させるための、具体的なステップがわかります。
和室でのマットレス直置きは大丈夫?畳への影響と基本のカビ対策

和室にマットレスを直置きしたいけれど、畳への影響が心配な方もいるかもしれません。畳はフローリングと違い、湿気に弱い性質を持っています。はじめに、畳でマットレスを使う際の注意点を解説します。誰でも簡単にできるカビ対策も紹介しますね。
最初に結論。畳にマットレス直置きは「対策すればOK」
和室の畳の上にマットレスを直置きするのは、悪い選択ではありません。ただし、何の対策もせずに敷きっぱなしにすると、カビやダニが繁殖しやすくなります。畳の部屋で快適な睡眠環境を維持するには、湿気の管理が欠かせません。
具体的な工夫は2つあります。1つは「マットレスを敷きっぱなしにしない」ことです。もう1つは「畳とマットレスの間に空気の通り道を作る」ことです。
これらの対策を実践すれば、和室の心地よさを損なわずにマットレスの快適さを取り入れられます。畳の特性を理解して適切な手入れを心がけると、清潔な寝室作りが実現します。
知っておくべき3つのデメリット。カビ・ダニ・畳のへこみ
和室でのマットレス直置きには、3つの注意点があります。
一つ目はカビとダニの発生です。人は睡眠中に汗をかくため、湿気がマットレスと畳の間にこもり、カビやダニの温床になりがちです。
二つ目は畳のへこみや傷みです。同じ場所に長期間マットレスの重さがかかると、畳に跡がつくことがあります。特に重いマットレスは注意が必要です。
三つ目は冬場の底冷え感です。畳から直接伝わる冷気で、薄いマットレスでは寒さを感じやすくなる場合があります。これらのデメリットは日々の手入れや、すのこ・除湿シートの活用で防げます。
なぜカビが生える?畳とマットレスの間の湿気が原因
畳の上でマットレスを使う際に最も気をつけたいのがカビの発生です。原因は、マットレスと畳の間に閉じ込められる湿気です。人は睡眠中に汗をかくため、その湿気が寝具から放出されます。
い草でできている畳は、フローリングと違って高い吸湿性を持つといわれます。(参考:全日本畳事業共同組合)そのため、マットレスから出た湿気を畳が吸い込んでしまうのです。マットレス裏面が畳に密着すると湿気の逃げ場がなくなります。
こうして、カビが繁殖しやすい「高湿度・適度な温度・栄養分」の3条件が揃ってしまいます。特に梅雨や冬の結露しやすい季節は、一層の湿気対策が求められます。
今日からできる。敷きっぱなしにしない毎日の基本メンテナンス
マットレスと畳の間に湿気が閉じ込められ、カビやダニの原因になります。
毎日立てかけるか、すのこ・除湿シートを活用して空気の通り道を作りましょう。
畳とマットレスをカビから守る最も簡単で効果的な対策は「敷きっぱなしにしない」という点です。これは、お金をかけずに今日から始められる基本的な手入れといえます。朝起きたらマットレスを壁に立てかけるなどして、風を通しましょう。

毎朝マットレスを立てかける、これだけでカビ対策の基本はOKですよ。

なるほど、それなら私にもできそう!毎日の習慣にしてみます。
マットレス裏側と畳の表面に空気が触れる時間を作ることが大切です。これで睡眠中にこもった湿気を効率的に乾燥させられます。毎日続けるのが理想です。
もし難しければ、最低でも2〜3日に一度はマットレスを上げて換気するのが望ましいです。特に湿度の高い季節は、こまめな手入れで清潔な睡眠環境を保ちやすくなります。
畳とマットレスの間に敷くべきもの。すのこと除湿シートの正しい使い方
毎日の手入れが難しい方には、「すのこ」や「除湿シート」の活用がおすすめです。より万全なカビ対策ができます。すのこをマットレスの下に敷くと、畳とマットレスの間に空間ができて空気の通り道が確保されます。これにより通気性が良くなり、湿気がこもりにくくなるのです。
ロールタイプや折りたたみ式のすのこは、使わない時にコンパクトに収納できて便利です。一方、除湿シートは湿気を吸収してくれるアイテムです。畳の上に除湿シートを敷き、その上にマットレスを置くだけで使えます。湿気を吸うと色が変わるセンサー付きの製品は、干すタイミングが分かりやすく重宝します。
どちらのアイテムも、畳をカビやダニから守る上で大きな助けになります。
ニトリでも買える?除湿シートはどこで手に入れるのがおすすめか
除湿シートは、さまざまな場所で手軽に手に入ります。「ニトリ」や「カインズ」といったホームセンターの寝具コーナーで多くの種類が販売されています。
特にニトリは、サイズに合わせた多様な商品が揃っており、繰り返し使えるシリカゲルタイプが人気です。Amazonや楽天市場などのオンラインストアを利用するのも良い方法です。
自宅で商品を比較検討でき、レビューを参考に自分に合ったものを選べます。手頃な価格帯も多いので、まず試してみたい方にもおすすめです。
マットレスと布団はどっちがいい?それぞれのメリットとデメリットを比較

和室で寝る場合、布団とマットレスのどちらを選ぶか迷うかもしれません。それぞれに長所と短所があります。
マットレスの長所は、体圧分散性に優れ、快適な寝心地を得やすい点です。一方、厚みがあるため湿気がこもりやすくなります。布団のように手軽に収納するのは難しい側面も持ち合わせています。
布団の長所は、毎日の上げ下ろしで湿気がたまりにくく、衛生的に保ちやすい点です。製品によっては底付き感があり、体が痛くなる場合もあります。
寝心地を優先するならマットレスが良い選択です。手入れや収納のしやすさを重視するなら布団です。ライフスタイルに合わせて選ぶことをおすすめします。
畳を傷つけないために。マットレスの重さや脚付き家具への注意点
マットレスを畳に直置きする際は、畳を傷つけない配慮も求められます。マットレスの重みだけで大きくへこむことは稀です。しかし長期間同じ場所に敷き続けると、畳の表面に跡が残る場合があります。これを防ぐには、定期的にマットレスの位置を少しずらす工夫が役立ちます。
さらに注意したいのが、脚付きベッドフレームを和室で使う場合です。脚が細い家具は一点に重さが集中し、畳を大きくへこませる原因になります。ベッドフレームを置くなら、畳への負担が少ないデザインを検討しましょう。脚の接地面が広いロータイプなどがおすすめです。
和室をきれいに使うため、家具の選び方には少し気を配ることをおすすめします。
畳の直置きに最適なマットレスの選び方!和室におすすめのタイプを徹底解説

畳にマットレスを直置きするなら、選び方が重要になります。畳とマットレスの両方を長持ちさせ、快適な睡眠環境を作るポイントを解説します。
通気性や手入れのしやすさを考え、和室にぴったりの一枚を見つけましょう。
【重要】畳に直置きするマットレス選び3つのポイント
畳の上にマットレスを直置きする場合、快適な睡眠環境を整えるために注意すべき点があります。特に日本の気候では湿気対策が欠かせません。カビの発生を防ぎ、畳とマットレスを良い状態で長く使うには、マットレス選びがポイントです。
具体的には、「厚さ」「素材」「手入れのしやすさ」の3つのポイントを確認しましょう。これが失敗しないための近道です。これらの要素は寝心地だけでなく、日々の手入れのしやすさにも直結します。
例えば通気性の悪い素材を選ぶと、湿気が溜まり畳を傷める原因になる場合があります。この後の項目で、それぞれのポイントについて深掘りして解説します。
厚さは10cm前後がおすすめ!底付き感と扱いやすさのバランス
和室の畳にマットレスを直置きする際、厚さは寝心地と手入れのしやすさを両立させる上で重要な要素です。一般的に10cm前後の厚さが目安とされます。マットレスが薄すぎると、畳の硬さが体に伝わる「底付き感」が生じます。これが快適な睡眠を妨げる場合があります。
特に横向きで寝る方は、肩や腰に負担がかかりやすくなります。一方で厚すぎると重量が増し、毎日の上げ下ろしが大きな負担になります。結果として敷きっぱなしになり、カビのリスクを高めてしまいます。そのため、適度な反発力がある素材で10cm程度の厚さを選ぶと、バランスが取りやすいでしょう。

厚すぎると重くて毎日の手入れが大変。10cmくらいが扱いやすくておすすめですよ。

そっか、寝心地だけじゃなくて、毎日の扱いやすさも考えて選ぶのが大事なんですね!
素材は「通気性」を最優先!高反発ウレタンかファイバー素材
畳に直置きする場合、湿気には注意が必要です。そのため、マットレスの素材選びでは「通気性」を優先して考えるとよいでしょう。これがカビ対策の基本です。通気性の良い素材として「高反発ウレタン」や「ファイバー素材」が挙げられます。
高反発ウレタンは、内部が空気の通り道が多いオープンセル構造の製品が多く見られます。湿気がこもりにくい特徴があります。適度な硬さで体を支え、寝返りを助けてくれます。
ファイバー素材は、樹脂繊維が絡み合った構造で通気性に優れています。製品によっては丸洗いできるタイプもあり、衛生面を重視する方に向いています。
逆に、人気の低反発ウレタンは熱や湿気がこもりやすい性質があるため注意が必要です。
手入れが楽な「折りたたみ」や軽量タイプを選ぶ
和室でマットレスを畳に直置きする場合、カビ防止には毎日の手入れが欠かせません。そのため、手入れのしやすさはマットレス選びの判断基準になります。
具体的には「折りたたみ」機能があり、かつ「軽量」な製品がおすすめです。三つ折りなどにできるマットレスは、コンパクトに収納できます。さらに自立させて手軽に風を通せます。これにより、湿気を効率的に逃がせます。
また、軽い製品なら、女性一人でも楽に持ち上げて移動や陰干しができます。日々の手間を軽くするのが、マットレスと畳を長持ちさせる秘訣です。
【タイプ別】和室・畳の上におすすめのマットレスを紹介

これまで解説したポイントを踏まえ、どのような方にどのタイプが合うか具体的に紹介します。何を最も重視するかで、最適な選択は変わります。
例えば、手入れの手軽さ、寝心地、衛生面など、ニーズに合ったタイプが存在します。自分のライフスタイルと照らし合わせ、どのタイプが最も適しているか考えてみましょう。以下に代表的な3つのニーズごとにおすすめのタイプをまとめました。寝具環境を整えるヒントにしてください。
ニトリの畳用マットレスはどう?店舗で選ぶ際のチェックポイント
ニトリでは、畳での使用を想定したマットレスや三つ折りマットレスが豊富です。手頃な価格帯の製品も多く、選択肢の一つになります。店舗で選ぶ際は、いくつかのポイントを確認すると失敗を防げます。
まず、サンプルを持ち上げてみましょう。毎日立てかけることを想定し、無理なく扱える重さか確認するのがポイントです。
次に素材表示をチェックしましょう。通気性の良いウレタンか、蒸れにくいメッシュ素材かなど、湿気対策の仕様を確認します。ウレタンの場合は「復元率」も耐久性の目安です。95%以上のものを選ぶと、へたりにくく長く使えるとされています。
人気の三つ折りマットレスランキングに見る選び方のコツと欠点
ネットのランキングや口コミでは多くの三つ折りマットレスが紹介されており、迷う場合も少なくありません。人気製品には理由があります。レビューを鵜呑みにせず、長所と短所を理解して選ぶのが望ましいです。
三つ折りマットレスの欠点として、折り目部分の寝心地がよく挙げられます。体の真下に折り目がくると、違和感を覚えたり沈み込みが深くなったりする場合があります。対策として、ウレタンが一枚続きのシームレスタイプを選ぶのがおすすめです。表面に凹凸加工を施した製品も良いでしょう。
ランキングを参考にする際は、欠点への対策がされているかもチェックすると、満足度の高い選択につながります。
最終手段!マットレスがいらないと感じるほどの高機能な敷布団という選択肢
畳への直置きの湿気対策や、毎日の立てかけ作業が面倒に感じる方もいるかもしれません。その場合、無理にマットレスにこだわらず、高機能な敷布団に目を向けるのも賢い選択です。
最近は「マットレスがいらない」と謳われるほど、高機能な敷布団が数多く登場しています。一枚で十分な体圧分散性と厚みを備えています。中材に高反発ウレタンなどを使用している場合が多く、寝心地はマットレスに近いです。それでいて軽量で扱いやすいため、日々の手入れの負担を軽減できます。
「和室の雰囲気を活かしたいけれど、マットレスの手間は避けたい」というニーズがあります。そういった場合に高機能敷布団は応えてくれるかもしれません。
和室でのマットレス直置きに関するよくある質問(Q&A)

- Qマットレスを畳の上に敷きっぱなしにできますか?
- A
おすすめはできません。畳とマットレスの間に湿気が溜まり、カビやダニが繁殖する原因になるためです。衛生的に保つには、定期的にマットレスを上げて換気するのが望ましいです。
- Qマットレスを直置きする場合は毎日立てる必要がありますか?
- A
毎日立てかけて湿気を逃がすのが理想です。難しければ、2〜3日に一度はマットレスを立てかけるなどして、畳との接地面を乾燥させましょう。
- Q畳で快適に寝るためのもっと良い方法はありますか?
- A
マットレスの下に「すのこ」や「除湿シート」を敷くのが手軽で効果的です。畳とマットレスの間に空気の層を作り、湿気がこもるのを防ぎましょう。通気性が確保され、より快適な睡眠環境を整えられます。
- Qマットレスの上にさらに布団を敷くのは良くないですか?
- A
あまり推奨はできません。マットレス本来の体圧分散性能を、上に敷いた布団が損なう場合があります。その結果、かえって寝心地が悪くなるかもしれません。
- Qマットレスの下には結局何を敷けばいいですか?すのこは必須?
- A
すのこは通気性確保に役立ちますが、必須ではありません。代わりに除湿シートやアンダーマットレスを使う方法もあります。畳とマットレスが直接密着する状態を避けるのがポイントです。
- Q人気の三つ折りマットレスにはどんな欠点がありますか?
- A
収納しやすいのが利点ですが、折り目が体に当たる感覚が気になる人もいます。また、構造上、折り目からへたりやすい傾向も欠点といえます。
- Q畳の上には何も敷かない方がいいと聞いたのですが本当ですか?
- A
畳の調湿機能やクッション性を活かす意味では本当です。現代の生活では、寝心地の好みや手入れのしやすさから、寝具を適切に活用する方が快適な場合が多くなっています。
和室のマットレス直置き対策と選び方の総まとめ

和室でのマットレス直置きに関する悩みについて、解決の糸口は見つかりましたか。この記事では、カビや湿気を防ぐ具体的な対策を解説しました。
畳と相性の良いマットレスの選び方や、日々の手入れ方法も紹介しています。正しい知識を身につければ、和室でも清潔で快適な睡眠が実現できます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。和室でのマットレス生活は、いくつかのポイントを押さえるだけで快適になります。難しく考えすぎず、できそうなことから一つずつ生活に取り入れてみてください。
例えば「起きたら立てかける」「すのこを試してみる」などです。この記事で紹介した知識を活かせば、カビや湿気の不安は解消されるはずです。そして、畳の部屋の心地よさを引き出せます。
ご自身に合ったスタイルを見つけて、清潔で快適な睡眠環境を実現してください。




