時間が経ってしまったマットレスのおねしょのシミや臭い。「もう落ちないかも」と諦めていませんか。放置した汚れは見た目が気になるだけでなく、衛生面でも不安が残るものです。しかし、正しい手順で対処すれば、家庭にある身近なものでも気になる黄ばみやアンモニア臭をきれいにできます。
この記事では、クエン酸や重曹を使った具体的な掃除方法を解説します。やってはいけないNG行動や日々の予防策まで、清潔なマットレスを取り戻すための知識を紹介。さらに、洗えない素材のマットレスの対処法や、クリーニング、買い替えの判断基準にも触れていきます。ぜひ参考にしてください。
時間がたったマットレスのおねしょ、臭いとシミの具体的な掃除方法

時間が経ったおねしょのシミや臭いを発見した時はがっかりするものです。ですが、正しい掃除方法を知っていれば、ご家庭でもマットレスをきれいにすることが可能です。ここでは、臭いとシミの原因に合わせた具体的な対処法を、手順を追って詳しく解説します。
なぜ時間が経つと落ちにくい?放置したおねしょ汚れの原因
時間が経過したおねしょの汚れは、尿の成分が変化するため落ちにくくなります。尿に含まれる尿素は、時間が経つと細菌によって分解され、強い臭いを放つアルカリ性のアンモニアに変わるのです(参考:日本植物生理学会)。
このアンモニア臭が、ツンとした不快な臭いの主な原因です。また、尿の成分が空気中の酸素と結びつく「酸化」を起こし、黄ばみとしてマットレスの繊維に固着します。
発見が遅れるほど、汚れや臭いの成分が繊維の奥深くまで浸透してしまいます。そうなると、表面的な掃除だけでは取り除くのが難しくなるでしょう。早めの対処が望ましいですが、時間が経った場合でも、原因に合わせた対応で汚れを薄くすることが可能です。
掃除を始める前に、準備するものとマットレス素材の確認方法
おねしょの掃除を始める前に、必要なものを揃えておくと作業がスムーズに進みます。マットレスの素材によっては使えない洗剤もあるため、事前の確認が失敗を防ぐ鍵です。
| 準備物 | 用途 |
|---|---|
| クエン酸 | アンモニア臭(アルカリ性)を中和するため |
| 重曹 | シミや汚れを吸着し、臭いも吸収するため |
| タオル(複数枚) | 汚れを叩き出したり、水分を吸い取るため |
| スプレーボトル | クエン酸水を均一に吹きかけるため |
| 掃除機 | 乾いた重曹を吸い取るため |
| ゴム手袋 | 手荒れを防ぐため |
作業を始める前には、必ずマットレスの洗濯表示タグを確認してください。「水洗い不可」の表示がある場合や、素材がウレタンやラテックスの場合は注意が必要です。
多量の水は劣化やカビの原因になるため、水分量を最小限に抑える必要があります。特に低反発・高反発ウレタンは水に弱いので、洗剤の拭き取りは丁寧に行いましょう。
臭い対策の基本-クエン酸スプレーを使ったアンモニア臭の消し方
💨 クエン酸スプレーを作る: 水200mlにクエン酸小さじ1を溶かす。
👇 スプレーして叩く: 臭いが気になる部分に吹き付け、タオルで優しく叩いて汚れを移し取る。
✨ 重曹ペーストを作る: 重曹大さじ3に水大さじ1を混ぜる。
🕒 塗って放置: シミの部分に塗り、数時間〜半日ほど乾燥させる。
🧹 吸い取る: 乾いた重曹を掃除機で完全に吸い取る。
🌬️ 風を当てる: 壁に立てかけ、扇風機や除湿機を使って内部までしっかり乾かす。(天日干しはNG)
おねしょの臭いの主成分であるアンモニアはアルカリ性です。そのため、反対の性質を持つ酸性のクエン酸で化学的に中和させると、臭いを消すことができます。市販の消臭スプレーは香りでごまかすだけのものもありますが、クエン酸は臭いの元から分解する点が異なります。
クエン酸は食品にも使われる成分なので、小さな子供やペットがいるご家庭でも比較的安心して使えます。ただし、塩素系の製品と混ざると有毒ガスが発生する危険があるため、絶対に併用しないでください。
掃除を行う際は、窓を開けるなど十分に換気しながら作業を進めることが大切です。
手順
- スプレーボトルに水200mlとクエン酸小さじ1杯を入れ、よく振って溶かします。
- 臭いが気になる箇所全体がしっとりする程度に、まんべんなくスプレーします。
- 乾いたタオルを汚れた部分に当て、上から軽く叩くようにして水分と汚れをタオルに移し取ります。
- 最後に、風通しの良い場所でマットレスを立てかけるなどして、内部までしっかりと乾燥させます。

クエン酸で臭いの元を中和したら、次は重曹でシミそのものを撃退しますよ。

なるほど!臭いとシミで使うものが違うんですね。やってみます!
シミ抜きの具体的手順-重曹ペーストで黄ばみを落とす
クエン酸で臭いに対処した後は、重曹でシミ抜きを行います。重曹は弱アルカリ性で、尿が酸化してできた黄ばみなどの酸性の汚れを中和・分解する働きがあります。また、臭いを吸着する効果も期待でき、クエン酸と合わせると消臭効果が高まります。
重曹も食品添加物として使われる安全性の高い物質ですが、塩素系漂白剤との併用は避けてください。重曹ペーストは汚れに直接塗りつけて時間を置くと、じっくりと汚れを分解・吸着させます。マットレスの生地を傷めないよう、強くこすらずに掃除機で吸い取るのがポイントです。この方法は、洗えないマットレスのシミ抜きにも応用できます。
手順
- 重曹大さじ3に対して水大さじ1の割合で混ぜ、ペースト状にします。
- シミが気になる部分に、ヘラや指でペーストを塗り広げます。
- そのまま数時間から半日ほど放置し、重曹が完全に乾くのを待ちます。
- 乾いた重曹が汚れを吸着しているので、掃除機を使ってきれいに吸い取ります。
それでも落ちない頑固なシミに試す酸素系漂白剤の使い方
クエン酸や重曹を使っても落ちない頑固な黄ばみには、最後の手段として酸素系漂白剤の使用を検討します。酸素系漂白剤は色素を分解する働きがあり、衣類のシミ抜きにも使われるアイテムです。粉末タイプの「オキシクリーン」などが広く知られています。
ただし、漂白剤はマットレスの生地の色を落としたり、素材を傷めたりするリスクが伴います。使用前には必ずマットレスの目立たない部分で試してください。色落ちや生地の変化が起きないかを確認する「パッチテスト」が大切です。
特に、色の濃いマットレスやデリケートな自然素材の場合は、使用を慎重に判断する必要があります。あくまで自己責任で試す最終手段と位置づけましょう。
手順
- 40〜50度のお湯に、製品の指示に従った量の酸素系漂白剤を溶かします。
- きれいな布に漂白剤の溶液をつけ、固く絞ります。
- シミの部分を、こすらずに優しくポンポンと叩くようにして汚れを移し取ります。
- 汚れが薄くなったら、きれいな水で濡らした別の布で、漂白剤の成分が残らないよう丁寧に拭き取ります。
- 最後に乾いたタオルで水分を吸い取り、十分に乾燥させます。
マットレス掃除でやりがちなNG行動と注意点
尿のタンパク質が熱で固まり、シミが完全に定着してしまいます。必ず水かぬるま湯を使いましょう。
汚れが繊維の奥に広がり、生地を傷める原因に。汚れは叩いてタオルに移すのが基本です。
特に「クエン酸(酸性)」と「塩素系漂白剤」が混ざると有毒ガスが発生し大変危険です。
良かれと思ってやった掃除方法が、かえってマットレスを傷めたり、汚れを悪化させたりする場合があります。時間が経ったおねしょの汚れはデリケートな対処が求められるため、以下のNG行動は避けてください。
掃除後の重要工程!カビを防ぐマットレスの正しい乾かし方
おねしょの掃除をした後のマットレスは、内部に多くの水分を含んでいます。この水分が残ったままだと雑菌が繁殖し、カビや新たな臭いの原因になります。掃除の最後の仕上げとして、マットレスを完全に乾燥させることが非常に大切です。
最も手軽な方法は、壁に立てかけて風通しを良くすることです。その際、扇風機やサーキュレーターで風を当てたり、除湿機を稼働させたりすると、乾燥時間を大幅に短縮できます。布団乾燥機があれば活用するのもよい方法です。
注意点として、天日干しは避けてください。直射日光の紫外線は、特にウレタンなどの素材を劣化させ、マットレスの寿命を縮める原因になるからです。乾燥させる場合は、風通しの良い日陰で干すようにします。
時間がたったおねしょマットレスの悩み、予防策と最終手段

一度きれいになっても、また汚されたらと不安は尽きないものです。ここでは今後の予防策や、掃除で解決しない場合の最終手段を解説します。さまざまな疑問に答え、おねしょに関する悩みを根本から解消していきましょう。
「もう汚さない」ための予防策-防水シーツとパッドの活用術
マットレス全体を覆い、側面からの漏れも防ぐ最も確実な方法。安心感を重視する方向け。
汚れた部分だけをサッと交換して洗濯できる手軽さが魅力。毎日の洗濯の手間を減らしたい方向け。
薄手でゴワつきが少なく、シーツの下に敷いても寝心地が変わりにくい。快適さを損ないたくない方向け。
マットレスの汚れを防ぐ最も確実で簡単な方法は、防水寝具の活用です。シーツの下に一枚敷くだけで、液体がマットレス本体に浸透するのを物理的に防ぎます。掃除の手間やストレスから解放されるだけでなく、マットレスを清潔に保ち、長持ちさせることにもつながります。
子供のおねしょ対策はもちろん、介護やペットとの就寝時にも役立ちます。防水シーツはマットレス全体を覆うため側面からの漏れも防ぎますが、洗濯や交換が少し手間に感じられるかもしれません。
一方、おねしょパッドは汚れた部分だけを取り替えて洗える手軽さが魅力です。寝心地への影響を最小限にしたいなら、薄手の防水マットレスプロテクターがおすすめです。生活スタイルに合わせて最適なものを選び、おねしょの不安がない快適な睡眠環境を整えましょう。
| アイテム | 特徴 |
|---|---|
| 防水シーツ | マットレス全体を覆い、側面からの汚れも防ぐ |
| おねしょパッド | 汚れた部分だけを交換でき、洗濯が楽 |
| 防水マットレスプロテクター | シーツの下に敷き、寝心地への影響が少ない |
洗えないマットレスはどうする?ウレタンやコイル素材別の注意点
洗濯ができないマットレス、特にウレタンやラテックス素材のものは、取り扱いに注意が必要です。水分そのものが劣化の原因になるためです。これらの素材は水を含むと加水分解という化学反応を起こし、ボロボロになる恐れがあります。掃除の際は水分を極力使わないのが基本です。
固く絞ったタオルでシミの部分を叩き拭きする程度に留めます。洗剤を使った場合でも、その成分が残らないよう丁寧に拭き取ってください。また、金属製のスプリングが入ったコイルマットレスも水気は避けるべきです。
内部のスプリングが錆びて、寝心地を損なうきしみ音の原因や耐久性の低下につながる場合があります。どの素材でも、掃除の後は風通しの良い場所で陰干しするか、布団乾燥機などで内部まで完全に乾燥させることが大切です。湿気が残るとカビや新たな臭いの発生源となり、衛生状態が悪化します。
市販の消臭スプレー(ファブリーズなど)は使っていい?

おねしょの臭いが気になる時、手軽な市販の消臭スプレーに頼りたくなりますが、根本的な解決にはなりません。むしろ状況を悪化させる場合があります。多くの消臭スプレーは、臭いの元を分解せず、別の香りで臭いを覆い隠す(マスキング)タイプがほとんどです。

市販の消臭スプレーは香りで臭いを隠すだけ。根本的な解決にはならないので注意してくださいね。

そうだったんですね!スプレーの水分で、かえって雑菌が繁殖しちゃうこともあるんだ…。
そのため、尿のアンモニア成分が残ったままだと、スプレーの香料と混ざり合って不快な臭いになる場合があります。さらに、スプレーの水分が雑菌の繁殖しやすい環境を作る懸念もあります。
もし使用するなら、クエン酸や重曹で尿の成分をしっかり取り除いてください。そして、十分に乾燥させた後の仕上げとして、ごく少量に留めるべきです。臭いの元を断つことが、おねしょの臭い対策の基本となります。
大人がおねしょでも対応は同じ?知っておきたいポイント
おねしょは子供特有の問題と思われがちですが、大人でも体調やストレスなど、さまざまな理由で起こる場合があります。基本的な対処法は子供の場合と変わりません。尿の主成分であるアンモニアは同じで、時間が経つと臭いやシミの原因になります。そのため、できるだけ早く対処することが大切です。
ただし、大人の場合は子供に比べて体の大きさから一回のおねしょの量が多くなる傾向にあります。そのため、汚れが広範囲に及びやすくなるでしょう。マットレスのより深い部分まで浸透するケースも考えられます。
掃除の際は、汚れた範囲を少し広めに見積もり、中心部から外側に向かって丁寧にケアすることが重要です。また、量が多い分、乾燥にも時間がかかります。表面が乾いたように見えても内部に湿気が残っているとカビの原因になるため、扇風機や布団乾燥機を活用し、念入りに時間をかけて乾かしてください。
自力で無理な時の選択肢-クリーニング業者に頼む費用と流れ
クエン酸や重曹を使っても臭いやシミが取れない場合や、高価なマットレスで自分で試すのが怖い場合は、プロの寝具専門クリーニング業者に依頼するのも有効な選択肢です。専門業者は、家庭では難しいマットレスの内部洗浄に対応しています。
専用の機材と、素材や汚れに適した特殊な洗剤を使い、尿の成分を根本から分解・洗浄します。高温スチームで殺菌やダニ対策を行うサービスもあり、衛生面でも安心です。
費用はマットレスのサイズや種類、汚れの度合いで異なりますが、シングルサイズで1万円から3万円程度が一般的な相場です。依頼する際は、まず複数の業者に見積もりを取り、サービス内容や料金を比較検討するのがおすすめです。
長年愛用しているマットレスや、長く使いたい大切な一枚であれば、プロの力でリフレッシュさせる価値は十分にあります。
これは寿命のサイン?おねしょを機に考えるマットレスの買い替え時期
おねしょのシミや臭いがどうしても取れないことをきっかけに、マットレス自体の寿命を考えてみるのも一つのタイミングです。特に、掃除をしても衛生面の不安が拭えない場合や、寝心地に変化を感じる場合は、買い替えを検討するよい機会といえます。
例えば、マットレスの中央部分のへこみや、体を支える力の低下は、内部素材が劣化しているサインです。また、寝返りのたびにスプリングがきしむ音も、内部構造の問題かもしれません。
寝ているときに体の一部が不自然に沈み込む感覚があるなら、体圧分散がうまく機能していない証拠です。このような状態では良質な睡眠を得るのが難しく、肩こりや腰痛の原因にもなります。おねしょの問題と合わせ、これらの寿命のサインが見られるなら、新しいマットレスへの買い替えを具体的に検討してください。
時間がたったマットレスのおねしょに関するよくある質問(Q&A)

- Q洗えないマットレスにお漏らししたらどうすればいいですか?
- A
まずはタオルで水分をしっかり吸い取ります。その後、クエン酸水や重曹水を汚れた部分に吹きかけ、乾いたタオルで叩くようにして汚れを移し取りましょう。最後にしっかり乾燥させることが大切です。
- Qマットレスのおねしょの臭いを消すにはどうしたらいいですか?
- A
臭いにはクエン酸水や重曹水が効果的です。臭いが気になる部分にスプレーし、しばらく放置した後に水拭きして、よく乾かします。アンモニア臭は酸性のクエン酸で中和され、すっきりと消臭できます。
- Qお漏らしした布団にファブリーズは使えますか?
- A
ファブリーズなどの消臭スプレーは、表面的な臭いを一時的に抑えることはできます。しかし、臭いの原因である尿の成分を分解するわけではないため、根本的な解決にはならない点に注意が必要です。まずは洗浄作業で汚れと臭いを取り除くことを優先してください。
- Qマットレスに重曹をふりかける時間はどのくらいですか?
- A
重曹を粉末のまま振りかける場合は、数時間から一晩程度そのままにしておくとより効果的です。重曹が水分と臭いを十分に吸収するのを待ってから、掃除機でしっかりと吸い取りましょう。
- Q大人がおねしょした時の対処法は子供と違いますか?
- A
基本的な対処法は子供の場合と同じです。ただし、大人の尿の方が臭いが強い傾向があるため、クエン酸水などを使った消臭をより丁寧に行うことをおすすめします。基本的な掃除の手順は同じです。
時間がたったマットレスのおねしょ掃除と今後の対策まとめ

時間が経ってしまったマットレスのおねしょのシミや臭いも、正しい手順で対処すれば諦める必要はありません。
この記事で紹介した掃除方法と予防策を実践し、大切なマットレスを清潔に保ち、快適な睡眠環境を維持しましょう。
時間が経ったマットレスの汚れを前にして、どうすればいいか分からず悩んでいたかもしれません。しかし、この記事で解説した手順を理解すれば、もう心配は不要です。正しい知識があれば、古いシミや頑固な臭いにも落ち着いて対処できるはずです。
大切なのは、焦らず一つずつ丁寧に行うこと。予防策も取り入れながら、これからもマットレスを清潔に保ち、毎日の睡眠を快適で質の高いものにしていきましょう。


